特別記事『曲紹介』後編

はい!では、前編に続きまして後編です。

後編ではメイン曲として演奏する予定だったブラームスの交響曲第2番についてです。

 

ブラームス / 交響曲第2番

ブラームスは、およそ15年の長きにわたる格闘の末に交響曲1番を完成させた。初演の翌年、彼は作品の完成に安堵すると同時に、自らの創作能力に対する自信を深めたのであろうか、この時点から彼の筆はよどみなく流れるようになる。交響曲第2番は、交響曲第1番とは正反対に異例の速さで書き進められ、彼は1877年にわずか四か月という短期間で完成させた。
交響曲第2番は、ニ長調という明朗な調に加え、のびやかで生の喜びに満ちており、愛すべき音楽となっている。これについては作曲がなされた地であるオーストリア、ケルンテン地方のヴェルダー湖畔にあるベルチャッハの自然との関係性が指摘されている。ブラームス自身も、音楽評論家であるエドヴァルト・ハンスリックに宛てた手紙に「ヴェルター湖という手つかずの土地では、メロディーが一杯飛び交っているので踏みつぶさないように気を付けて、とおっしゃることでしょう」と書いており、その曲想の温かみから”ブラームスの田園交響曲”とも呼ばれる。

第1楽章 Allegro non troppo ニ長調
ソナタ形式。冒頭、低弦が奏するD-C♯―Dの基本動機の上で、木管とホルンが牧歌的で柔らかい第一主題を奏でる。この動機がヴァイオリン、トロンボーンを加えつつ繰り返される。その後、オーボエに導かれて、ヴァイオリンが基本動機を展開させた新しい旋律を奏す。この旋律がしばらく展開された後、木管と弦の軽やかな応答が現れる。こののちに、ヴィオラとチェロによる第二主題が基本動機を変形して奏でられ、それにヴァイオリンが先程と同じ音型で応答する。展開部のクライマックスでは、冒頭部分と第一主題によるヘミオラが加わり、盛り上がりは頂点を迎え、緊張が緩んだところで再現部となる。この楽章は「沈みゆく太陽が崇高でしかも真剣な光を投げかける楽しい風景」(クレッチマー)と表現されることもある。

第2楽章 Adagio non troppo ロ長調
自由なソナタ形式。この明るい交響曲の中で最も重い楽章となっている。チェロの第一主題から始まり、これがフルートとヴァイオリンによって繰り返さる。その後、ホルンののどかな旋律が奏でられ、それがオーボエ、フルートなどに受け継がれる。続いて、木管による優美な第二主題が現れ、これが次第に厚みを増して奏されたのち、弱まっていく。この後、ヴァイオリンに別の音型が現れ、低弦の細かい動きを伴って進み、展開部へと続いていく。

第3楽章 Allegretto grazioso (Quasi andantino) ト長調
ロンド形式。初演時にアンコールとして用いられた楽章でもある。まず、オーボエのどこか可愛らしいメロディー(第1楽章の基本動機を用いたもの)が木管のあたたかな和音、チェロのピッツィカートの伴奏を伴って始まる。この後、曲は倍速になり、軽快なスケルツォ風の部分に入る。ここでの主要主題は、冒頭の主題の変形であり、この中間部でも基本動機を展開させていく。次第に曲は落ち着いていき、テンポが元に戻ると、冒頭のメロディーをヴァイオリンが引継ぎ、静かに曲の終わりを迎える。

第4楽章 Allegro con spirito ニ長調
ソナタ形式。弦によって静かな第一主題(ここでも基本動機が用いられている)がpで奏でられ、それに管楽器を加えて明るい旋律が続く。その後、管と弦の強烈な音型や、木管の柔らかい旋律が奏でられたのち、ヴァイオリンとヴィオラの穏やかな第二主題が現れる。展開部では短調になり、第一主題が展開されていく。その後急に音楽は静まり、木管と弦が基本動機を用いた三連符で応答する。しばらくの静けさののち、第一主題が再び姿を現し、再現部に入る。

(クラリネット3年:さっちー)

 

前編の2曲とは違い、もともと物語がある曲ではありませんが聴いていると頭の中に情景が浮かびまくりですね……
この文章では各楽章の主題についても書かれているので、それぞれどこがどの主題なのか探しながら聴いてみるのも楽しそうです😊

 

前編と同じく、書いてくれたさっちーに感想を頂きました!

◇さっちー◇
曲の冒頭、ホルンのうたうのを聴くと、一瞬にして眼前に湖畔の朝焼けの情景が広がります。小鳥はさえずり、野原に咲く花々は太陽の光を歓受し、そして、楽章を追うごとに、生の喜びに満ち満ちた自然の営みが、愛という包容力に包まれながら描かれていきます。そんなことがtuttiのたびに感じられて、毎回ワクワクしていました。
この曲は、紹介文にも記述しましたが、「沈みゆく太陽」を描いている、という表現をされるそうです。それを知ったうえで改めて聴いても、私には一日の始まりの音楽に感じられてなりません!音楽の感じ方は人それぞれ、です。

この曲を最後に吹いたのは、春合宿の最終日です。まさかあの日が最後になるとは夢にも思っていなかったので、いまだに本番がなくなった実感がありません。だから、今はそんなに落ち込んではいません。

しかし、えも言われぬ喪失感はあります。

私の自論ではありますが、オーケストラは「生き物」であると思っています。
オーケストラは、演奏者、楽器、指揮者、ホール、そしてお客様が一体となって「呼吸」しています。
生き物なので、「怪我」をしたりします。本番特有のミスとか。かわいらしい御怪我です。
生き物なので、何かが、誰かが欠けてしまっては、「病気」になってしまいます。一人一人はオーケストラを流れる「血」であり「臓器」なのです。

この状況下で、無観客演奏会や演奏録音のオンライン配信など、様々な取り組みが行われています。どれも妙案で、私も楽しませていただいているうちの一人です。頭が上がりません。
しかし、そのような演奏を聴いた後に胸のざらつきが残るのは私だけでしょうか。やはり、オーケストラを聴いた後の心からの充実感は、全ての条件がそろわないと感じられないものなのだな、と痛感しています。

また、「生き物」である以上、その個体ごとに個性があって、、だからこそ面白いんです!
この愛すべき曲、ブラームス二番を、もしかしたらまた演奏する機会が巡ってくるかもしれません。しかし、私たち早稲フィルのこのメンバーで、佐々木先生と、その日来て下さるはずだったお客様を完全に再現するのは不可能でしょう。つまり、次の機会に奏でるブラ2は「完全に別の生き物」なのです。演奏会ってなんて尊いものなのでしょう。

ここまで書いて、すごく悔しくなってきました。泣

私たちだけではなく、他のオーケストラ吹きの方々も苦汁をなめる日々を過ごされていることと存じます。
また、みんなでtuttiできる日が来るよう、皆様の健康をお祈りしています。

 

以上です!
本当ならば6月7日にアプリコで1400人近くの方に見てもらうはずでした。
その機会はなくなってしまったけど、このように早稲フィルブログで公開できたので当日聴きに来れない予定だった人を含め、多くの人に見てもらえたら嬉しいな…と思います😚

2つの記事になりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!

 

最後に、次回演奏会の宣伝をさせてください🎵

 

【早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団 第83回定期演奏会】

2020年12月24日(木) 夜公演
@ティアラこうとう 大ホール

指揮:松岡究

チャイコフスキー / 交響曲第6番 『悲愴』ほか

※詳しい情報は決まり次第、早稲フィル各SNSでお知らせ致します。

 

この演奏会は新入生が早稲フィルに入団して、初めて迎える大舞台となります😊
ぜひ早稲フィルに入って、私たちと一緒に演奏しましょう♪

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