こんばんは。35期セコバイのミッチーです(ー〇ω〇)ノ
『あらすじで読むロミオとジュリエット』、今夜はその第一幕をお送りいたします。
第一幕では、物語の主人公であるロミオとジュリエットが、仮面舞踏会の会場で運命の出会いを果たします。
†第一幕†
今は昔、ここヴェローナの街では、代々栄えてきた二つの名家が互いに憎しみ合い、小競り合いを繰り返していた。モンタギュー家とキャピュレット家である。
この日も両家のものたちが些細なことから喧嘩をはじめ、キャピュレット氏は街を預かる大公殿下にこっぴどく怒られて帰ってきた。そこへ訪ねてきたのはパリス伯爵である。
パリス伯爵は、キャピュレットの娘ジュリエットに求婚したいとやってきたのだ。しかしキャピュレット氏は、パリス伯爵の求婚に消極的だった。
「伯爵、せっかくですが娘はまだ世間知らず。嫁入りには早すぎます」
「しかし私の気持ちは揺るぎません。ぜひジュリエットを、我が妻に!」
「そこまでおっしゃるのなら……今夜我が家で盛大なパーティーが催されます。町中から美女が集うことになっておりますが、それらの貴婦人がたを見てもなお、我が娘を妻に向かえたいと思うのであれば、考えてみてもよろしい」
「誰が来ようと、私の気持ちは変わりませんよ」
かくしてその夜、キャピュレット家では盛大なパーティーが開かれることとなった。
パーティーでは仮面舞踏会も催され、人々はこの盛大なイベントを楽しんでいた。
そんなパーティーの雑踏に紛れて、モンタギュー家の息子であるロミオが会場にやってきたのは、宴もたけなわに近いころであった。
「これは華やかなパーティーだ。長年我がモンタギュー家と争ってきたキャピュレット家の催しでなければ、もっと素直に楽しめたかもしれないが…ややっ!?あれは誰だ!?」
その時ロミオは雷に打たれたような衝撃を受けた。彼は敵方の一人娘、ジュリエットに一目ぼれしてしまったのである。
「僕の心は今まで恋をしたことはあっただろうか?!いや、なかったのだ!今夜この時まで、俺はまことの美しさを目にしたことがなかったのだから!!」
彼の声を聞きつけて、キャピュレット家のティボルトという男は、そこにいるのがロミオであると気付いてしまった。
「その声はロミオ!モンタギュー家の貴様が、なぜ我らキャピュレット家のパーティーにいるのだ!我々を愚弄する気か!!」
息を荒げるティボルトに気づいたキャピュレット氏は、彼に話しかけた。
「どうしたティボルト?」
「あそこにいるのはモンタギュー家のロミオです!」
「なに?」
「奴め、飛んで火にいる夏の虫です!今やっちまいましょう!!」
「落ち着け。お客様の前であまり騒ぎ立ててはかえって我が家の不名誉だ」
「しかし…!」
「静かにしていろ!キャピュレット家の主は儂か?貴様か?」
「ぐぬぬ…覚えていろよ、ロミオめ!」
ティボルトはやむなく引き下がった。一方ロミオは、ジュリエットの前にかしずき、彼女の手を取って言う。
「麗しい方、どうぞ私にお名前をお教えください」
「ジュリエットと申します。キャピュレット家のジュリエットですわ」
「ジュリエット!?あなたが…」
「はい。では、あなたのお名前もうかがいたいです」
「僕はロミオ。ロミオです」
「ロミオですって!?まさか、モンタギュー家の…」
その時、キャピュレット氏が叫んだ。
「さあ皆様!パーティーはこの辺りでお開きとさせていただきます!本日はまことにありがとうございました!」
ロミオはキャピュレット氏から隠れるようにその場を去って行った。
かくして、ロミオとジュリエットは運命的な出会いを果たしたのである。
†
さあ、敵同士の家柄に生まれた御曹司と令嬢の恋は、この後一気に燃え上がり、そのまま急激な奔流となって物語は加速していきます。二人の愛はどうなるのか?!次回をお楽しみに!!
ミッチーでした(ー〇ω〇)ノ