雲明

きどりんです。木戸です。あーもう今日という一日を呪ってしまいたい。
それにしても黒猫さんが生きてて良かった。

えー、相次いで要望が出ている、ベートーヴェンの5番のCD紹介です。
先日の演奏会に足を運んでくださった方は、パンフの方でご存知かと思いますが
フィルの来春定期演奏会のメインプロは
【L.v.ベートーヴェン/交響曲第五番】です。
その他詳細はいずれ明らかに致します。

では、以下はいつもの調子で。


くりっくありがとうです。

…というかベト5のCD紹介なんて、あまりに重荷ですな。笑
この記事では、私きどりんの独断と私見で進みます。すみませんほんとに。
なるべく配慮はしますが…開き直ってやっていきますよ。

まずは定番。
【W.フルトヴェングラー×ベルリン・フィル…1947年 DG モノラル】
ここで書く必要の無いほど、名演名盤として知られていますね。
改めて聞きなおしましたが、やはり凄まじいですよ。フルトヴェングラーは、やっぱり超ロマンチスト。
1楽冒頭の運命動機は全然縦合ってません。しかしそれが「物凄い」。
要所要所の大見得切り。指定外の「タメ」。
2楽の旋律が孕むスケール感の大きさ。
3楽~4楽のブリッジでは完全に拍節感が崩壊…そして眩しいばかりに燃え滾るクレッシェンド!!
そしてフィナーレ、コーダのストレッタ。勝利への突進。突進!
それら全てが巨大な表現として昇華され、他では絶対に聴けない人間のドラマとして響きます。
モノラルですので音質は決して良くないですが、充分聞ける方です。管楽器遠いけど…
これは、聴きましょう。笑

ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調<運命>” border=”0″></a></td>
<td style=ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調<運命>
(1997/08/06)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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ちなみにコーダの突進は43年版(オーパス蔵)の方がアツイです。
あ、間違えてフルトヴェングラー×ウィーンフィルのを聴くと、肩透かし食うと思います。。

続いても巨匠の至芸。
【A.トスカニーニ×NBC響…1939年 オーパス蔵 モノラル】
これめっちゃくちゃ古い録音で、ちゃんと出力の充分あるオーディオか、
あるいは良いイヤホンないしヘッドホンで聴かないと、ちょっとキツイです。笑
いやでもね、今回色々聴き直して一番感銘受けたのはこの演奏。
フルトヴェングラーよりも凛とした造形で、しかも燃焼度は凄く高いです。
冒頭の運命動機も、決して長くない。むしろ譜面どおりなんだけど、音がとにかく濃い。
全てが譜面通りでは全然無い、トスカニーニは所々譜面を変え、テンポをいじって
「的確な効果」をあげています。そこが至芸。
金管もティンパニも大人しくなんか全然無いですよ、これでこそ、獅子ベートーヴェンでしょう!
下に表示されたのはBMGから出てる奴です。僕が推薦してるのは「オーパス蔵」ってレーベルの奴なんで、お気をつけください。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第8番[1939年録音] ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第8番[1939年録音]
(2003/04/23)
トスカニーニ(アルトゥーロ)

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併録の「椿姫」、ハイドンの「V字」、「エグモント序曲」も素晴らしいです。
でも古いからなぁ、上級者向きかもですね。。

モノラルばっかりあげるのはよくないですね。現代の天才を紹介しましょう。
【サイモン・ラトル×ウィーンフィル…2001年? EMI ステレオ】
最初に申し上げておきたいのは、こういう快速型の運命を聴くのであれば
【カルロス・クライバー×ウィーンフィル】
を聴いたほうが絶対良いです。このクライバーの運命、僕は高校生なりたてのころ
レコードで聞いて、甚く感動致しました。懐。
さておき、個人的にはラトルよりクライバーの方が、名演…といえると思います。
ただラトルの演奏も棄て難い!
とにかく解釈が面白いのです。1楽オーボエソロの導入…3楽スケルツォでのヘミオラ強調…
4楽でのテクスチュア表出…ピッコロのオクターブ上げや、2ndとVaの強調などなどなど。
スコア片手に聴くと、新発見がたくさんです。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
(2001/08/08)
ラトル(サイモン)

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ベートーヴェン:交響曲第5&7番

どちらもお試しあれ。

こんぐらいにしときますけど、やはり僕個人としては古いタイプの巨匠じみた演奏が好みですなぁ。
我々はフルトヴェングラーやトスカニーニの演奏を、貧しいモノラル録音で判断しているわけで…
ライヴで聴いたらとんでもなかったと思いますよー。

長々と失礼。ではまた。