音の想像と創造

こんばんは。
今日は一段と冷え込みました。
お風邪など引かれないよう、お体にお気をつけくださいませ。
春だというのになかなか暖かくならず、毎日の服装に悩む私のんがお送りします。

先週末、30名ほどの新入部員を迎えた早稲フィルは、迫る春の定期演奏会に向け、本番会場での指揮者tuttiをおこないました。

私達は普段、全員が座ることだけでやっとというような広さの部屋で練習をしています。
そんな狭さの場所で練習を繰り返していると、意識しなくとも自分の音が周りと“合ってしまう”ということがしばしば起こります。
心の中で各自のビートを刻んでいると、合わせなくては、という意思を持たずしても、狙って音を発さなくとも、“合ってしまう”のです。
余程のことがない限り、私達は常に合奏の音に包まれ、自分の音もそこへ寄っていくようになっているのです。

そういった環境に慣れてきた中でホールへ来ると、自分が1人、音の洪水の只中に放り出されたような気分になります。
前の人の背中から聴こえてきていた音はあらゆる方向へ飛んで行ってしまうし、もっと遠くにいる人の音はもはや全く的外れのように聴こえます。
そういった場に置かれて初めて、“合わせる”ということは“合う”ことが当たり前なのではなく、極めて意識的に行われるべきことなのだと学びます。

私達はあと1ヶ月間で、意識的に合わせるということ、無意識にでも入ってくる聴覚からの音に頼るのではなく、視覚を最優先に、自分が出すべき音の居場所を推し量って発することを身に付けなくてはなりません。

耳からの情報に頼り、譜面に殴り書きした注意を見逃すまいと目でそれを必死に追いかけてきた習慣から脱して、目を手段に、この先の音楽を想像していかなくてはなりません。

まずは自分を信じるだけの努力の裏付けを持つこと。
そして周りを信じるだけの余裕を持つこと。
更に、後ろにいる人に伝えようとする優しさを持つこと。

連休中に行われる合宿では、一人一人がより明確な目標を持ち、少しでも多くの課題に向き合い解決へと向かっていければと思います。