春定を終えて

早稲フィルブログを見てくださる皆様、こんにちは。みんなのママほりちゃんからバトンを受け取りました、オーボエパートのさおりんです。趣味はぬいぐるみとの対話です。

さて、先日第80回定期演奏会が無事終了いたしました。来てくださったお客さんを含めたくさんの人の協力の上に成り立った演奏会でした。本当にありがとうございました。

演奏会を1つ終え、片付けが落ち着くと色んな書き込み(アクセントとかもありますが、花、とかワクワクとか、変な絵とか)のある楽譜が手元に残ります。それを見るたび、私は自分が音楽をやる意味について考えさせられます。今回は、ちょっとだけそんな話をしたいと思います。

プロでも音大生でもなく、ただ趣味として学生オケに入って上手くもない楽器を吹いている私ですが、そのような活動において実は信念がちゃんとあったりします。それは、人に伝える音楽を追求するということです。例えば、曲中において、ここは悲しさと寂しさが共存してるな、ハッピーな感じだけどあんまりバカっぽくなりたくないな、といった「どうやって吹きたいか」という願望があります。しかし、それを叶えることは簡単なことではありません。気持ちはあるのに、音に表せない。技量が足りない。そんなことは1シーズン練習を重ねていくと100回くらいぶちあたる壁です。他の団員たちはこれをどう乗りきっているのでしょう。私は、めげずにとりあえず気持ちだけは寄せてみたり、プロの演奏を聞いてどうしてるかヒントを得たり、周りの人にアドバイスをもらったり、とまぁ試行錯誤しているうちになんとなく当初よりは目標に近づいてきます。1つのシーズン中、もちろん周囲との音程やタイミング合わせ、そもそもの基礎力アップもがんばっていますが、ほとんどはこれに尽きるんじゃないかと思っています。ここはどんな音楽なのか、どんな音楽を奏で、お客さんに届けたいのか。それがなければなんにも始まらないどころか私たちが音楽をやる意味がないなと日々痛感しています。どんなに音色も音程もよく、周りとのタイミングも完璧だとしても、伝えたいものがなければそれはただの耳障りのいいBGMと同じです。
ちょうど一年前の春シーズン、どうしてもうまく吹けないメロディがありました。練習中その場所が来るのが怖くて怖くて「ここはクレッシェンド」や「ここはラの音が下がらないように」とか、そんな小さいことばっかり考えてとにかく”減点されない演奏”に向いてしまっていたことを思い出します。そのどれもを叶えても、「うーんきれいに吹けてるけどつまんないね」と先生に言われ、当日のステリハでは同じメロディを吹いている同期に「加点式でいこうね」と叱られた(?)のをよく覚えています。そんな経験もあって、今回は自分がどう吹きたいのかを最優先させて練習することを特に心がけた半年でした。来てくださったお客さんには、伝わってるかな。半年一緒にやってきた仲間には伝わってるかな。少なくとも私は、周りの人がどう演奏したいのかを感じることがあります(解釈違いの可能性もありますが、何か伝わればいいのです)。全ての団員が、ここであの曲を演奏した意味が伝わっていますように。

さてさて、なんだか語ってしまいましたが…そんな感じで無事春定を終えましたので、早稲フィルは冬シーズンに向けてまた新しく始動します。
冬の演奏会情報はこちらです。

 

40周年記念ということでいつも以上に盛り上げていきたいです!それまでにも色々なイベントがあるので、早稲フィルブログにも目を通してくださいね。

次は、同期愛がますます深まるホルンのおきくにバトンを渡します〜!とっても優しいので多分受け取ってくれます!