冬ですね

ご無沙汰しております、きどりんです。

年が明けて、ワセフィルも練習を再開しました。
ひとまずは今週土曜日の決起tuttiに向けて、ですね。
火曜日にはオーシマさんによる絃練があった模様。お疲れ様でした。
運命は大変ですよね。
ちなみに土曜日の決起tutti後は、試験休みに入ります。

しかし…そうするとこのブログ、あまり話題が無いんですよねw
CD紹介は幾らでも出来ますが、そればかりじゃ芸が無いですし。
うむー…

って悩んでいた折、面白いNEWSを掴みました。

12日(土)、雪みたいですね!!
雪。これは日本の美です。

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ありがとうございます。

私も第一文学部美術史学専修の端くれ。今日は少しだけ美術の話をさせていただきます。
そういえば、このブログの書き手には一文の方が多い…ってかほとんどですね。。
美史の教授、星山先生の講義を参考にしつつ、筆を運ばせていただきます。

東西美術の論点の一つに、“モチーフ”の問題があります。
モチーフとは、描かれる対象の事ですね。

西洋画、ヨーロッパ美術のモチーフは、言わずもがな、人間でした。
宗教美術も、ダビデ像も、閂とか夜警とか色々ね…
とにかく、肉体の迫真性、肉体の演劇性に重点を置いています。
そのため西洋画には、ヌードの人間が非常に多く、当たり前のように登場する。
肉体美を追究表現してきたからですね。

中国画のモチーフは、石、です。
石は岩に発展し、そして必然的に山を描き出すようになります。
これが「山水画」です。
中国では、石や岩に囲まれた環境での“理想郷”が図像としてあるようです。
この辺り勉強不足なのであまり書けないのですが…
ともかく「山水画」が、中国画において重要である事はイメージなされる事かと思います。

さて、そうしますと日本絵画の重要モチーフは何なのでしょう?
(ここでの「日本絵画」は、明治以降の西洋風日本画を含みません。)
日本人は何と、目に見えないものを描き続けてきました。
それは、【季節感】です。
季節、ではなく、季節感。俳句には必ず季語があるように…
日本人は「季節の移り変わり」をも描き出しました。

春は、花です。特にそれは桜を指します。
夏は、実はあまり描かれないのですが、水辺というモチーフがあります。
秋は、秋草と紅葉。そして、月。
冬は、雪です。

これらの図像が描かれることで、日本人は画中世界の季節感を感じる事が出来るのです。
北斎の四季耕作図屏風がその典型でしょう。
それでなくとも、例えば紅葉が5枚描かれただけの掛け軸で、我々は「秋」を感じるものです。
月を描いた水墨画や桜を描いた大和絵も無数に残されていて、枚挙に暇がありません。

そうして、あまり描かれない夏を除いた四季のモチーフから、花、月、雪を選んで、
【雪月花】
という言葉が、日本の美感を伝える言葉として、現在まで残っているのです。

というわけで、土曜日は雪が降るそうです!
「雪合戦ふぉー!」ってはしゃいだり
「寒いー電車止まるー雪掻きだりー」と現実に戻ったりする前に

ちょっとだけ、しみじみと「素敵だな」って思うのも、良いと思いますよ。

ではまた。これで雪降らなかったら、ちゃんちゃんですね。