冬枯れの街路樹に風が泣く

がっつり風邪をひいたきどりんです。
みなさんもお気をつけください…。
寒さは体力を奪うし、乾燥はバイ菌の好むところです。

今日は久しぶり過ぎるCD紹介を。

次回春定の前中プロも決まったことですし!あ、
前:歌劇「ルイザ・ミラー」序曲/G.ヴェルディ
中:シンフォニエッタ/F.プーランク
ですね。

だけどヴェルディの歌劇はまだ調査不足だし、プーランクはあまり趣味でないので
CDが少ない…(二台のピアノのためのコンチェルト&フランス組曲はむしろ大好きですが)

よってこれら2曲はもっとディスクを参照した際しっかり書くとして、
今回も今のところフィルには関係ないディスクです。
そしてよっぽどの事がない限り関係ないままでしょう。笑

モンテヴェルディ作「童貞マリアの晩課」です。
(聖母マリアの夕べの祈り、とも呼ばれますね。)


ありがとうございます。
どーでもいいけど別にモンテ「ヴェルディ」ってかけたわけじゃないですよ。
はいどーも。

【H.マルティン・シュナイト×ハンブルク古楽合奏団 レーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊 1974年 タワーレコーズ? ステレオ】

というか正直、これしか持っていません。
ガーディナー盤とか有名らしいのですが、僕はこの録音があれば取り合えず満足です。
シュナイトの棒は実直に音楽の流れを進めており、滞ることはありません。
聖歌隊もソリストも本当に美しい。特に合唱は特筆すべきサウンドです。
レーゲンスブルクの教会での録音のようで、非常な残響がそれを支えています。
モンテヴェルディの時代、17世紀初頭ではまだ女声の教会入りは禁じられていたようで、
このCDではそれに従って少年歌唱を取り入れて成功を収めています。
ソリストの声も、見事なまでに合唱と調和していて、本当に素晴らしい。

当時の合唱隊は『バス、テノール、自然アルトあるいはファルセット、及びプエリ』で
構成されていたようで、カストラートはオペラの分野でこそ
活躍していたけれども、教会に入ることはなかったみたいです。
カストラートとは去勢された男性歌手でして、
男声の太い声と女声の高音が奏でられるということで重宝されていました。
もちろん女性貴族の慰み者としても、重宝されていました。

寒冷化による飢饉と、黒死病の恐怖に覆われた17世紀のヨーロッパには、
間もなく魔女狩りの嵐が吹き荒れます。
人々はこの暗い時代を、キリスト教とそしてデカルトの思想に寄りかかって凌いだのではないか。
私見ですが。
そんな暗い時代(しかし宗教音楽は黄金時代)に生きたモンテヴェルディ。
彼のちょっと後には、かのバッハが現れます。プロテスタントの隆盛とともに。

ルネッサンスからバロック時代の架け橋と呼ばれることの多いモンテヴェルディですが
17世紀に入って記譜法が5線にまとまったくらいで、
音楽の内容に大きな変化は見られないように思います。
革新はバッハが対位法を生み出すまで待つこととなります。

また、彼は「オルフェオ」というオペラを残しています。
このオペラは現在でも常に上演され得るオペラとしては、
最古のものと呼んでよいのではないでしょうか…。
ぼくはまだ見たことがありません。一度はこの目で、と思います。
同時代人のヴィヴァルディに比べて、圧倒的にプロっぽい仕事が魅力ですねw
この時代に特筆すべき作曲家はもう一人、
強弱法の使用で革新的な「ピアノとフォルテのソナタ」を書いた、
G.ガブリエリ。
彼についてはまたいずれ…

とまぁ音楽自体に関係ないことまでつらつら書いてしまいましたが、
この時代の音楽史は前から興味があったものですから。長くてすみません。
とにもかくにも「聖母マリアの夕べの祈り」
何も考えずとも、ただ身を浸して聴き入ればよい音楽だと思います。
きっと非常な美しさに痺れてしまうでしょうw
特に声楽だけの「マニフィカト2」は、本当にこれ以上
何を望むかってばかりの最美たる世界。

お試しあれ。
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しかし。

レポートを書くといって端末室にこもったのに何をやってるんだろう。
じゃがんばります。
ではこれで。ではこれで。